さいたま市放射線測定結果(2018年11月)

2018年11月に大宮・岩槻・浦和の各支部のまちづくり委員がさいたま市各所の放射線量を測定しました。

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第7回放射線量測定結果・大宮」
「第7回放射線量測定結果・岩槻」
「第7回放射線量測定結果・浦和東」
「第7回放射線量測定結果・浦和西」

=放射線測定を終えて=

     まちづくり委員会 内田恵津子

2012年から始めた放射線量測定も7回目となりました。毎回、ここを測って欲しいというリクエストをいただきます。リクエストされた方とご一緒に測ったり、ご一緒出来なくてもお電話で測定場所のお話をしたりして、私たちの活動を知っていただきます。

◆福島原発の廃炉作業の今 
福島第一原発の廃炉作業は少しずつ少しずつ進んでいます。東電は汚染水の処理は多核種除去設備(ALPS)で処理したので、セシウムやストロンチウム等62種の放射性物質を除去出来ているが、トリチウム(三重水素)だけは除去出来ないので、汚染水のタンクにはトリチウムだけが残っていると言っていました。東電は処理されたタンク内の汚染水を海に放出したいと思っています。しかし全国漁業協同組合連合会が反対しているので今まで放出出来ずにいます。 ところが、東電は今年の9月28日に多核種除去設備で浄化されたはずのタンク内の汚染水を調べた所、約8割のタンクの汚染水からヨウ素やストロンチウム90などが基準値の約2万倍に当たる1リットル中60万ベクレルの濃度で検出されたと発表しました。この汚染水は94万トンとも75万トンともいわれ再び処理することになれば、追加の費用や年単位の時間がかかります。

汚染水を再度処理して海に放出するか、この汚染水を再処理せず、大型タンクに移し替えて長期保存を続けるべきか皆さんはどう思いますか?

◆トリチウムについて
多核種除去設備でも除去出来ないトリチウムとはどんな物質でしょうか? トリチウムは化学的性質が水素と同じなので大抵は水として存在します。口、鼻、皮膚から吸収され、血液によって体中をめぐります。体内に取り込まれたトリチウムが遺伝子の構成元素になり放射線を出した時、トリチウムはヘリウムに変わり、DNAが壊れて癌の発生率が高くなるのです。

爆発した福島原発は、炉の下に落ちた核燃料に水を入れて冷やしているので、トリチウムの大量生成装置になっています。このトリチウム入り汚染水を海に大量に放出すると、トリチウムは海水より軽いので海面から蒸発し、雨に含まれて陸に落ちてきます。もし水道水に含まれるようになると白血病や脳腫瘍の発生率が高まります。だからトリチウムは半減期が12,3年なので120年ほど貯蔵すればトリチウムは1000分の1になり、汚染水を海に放出が出来るようになるそうです。 (月刊誌「食品と暮らしの安全」2012年3月号の記事をインターネットから抜粋)

◆忘れないでいましょう
福島原発の爆発事故から8年近くになり、私たちの放射線量測定では除染すべき値から多くても、5分の1以下でした。ただしこれはセシウムの値です。トリチウムは測れません。忘れかけている記憶、あの時は何を食べればいいのか困ったこと、洗濯ものは外に干せなかったこと、なるべく外出しなかったこと等々を思い起こし、今の福島原発の現状、再稼働した原発の状況を調べてみる機会にしていただけたら幸いです。