1 2004/9/19



 講師は善方一夫先生。73歳。桶川市在住。
 元高等学校教諭で日本史が専門です。
 昨年平和委員会主催の会の
   講師をお願いしたのがご縁で
   今回も講師をお願いしています。
 穏やかにどんな質問にも丁寧に分かり易く
 説明してくださいました。
暖の2階で10時から20数名の出席で授業が始まりました。


「19世紀後半からの李氏朝鮮をめぐる国際的対立」

講座ではその頃のロシアや清や国内の状況を詳しく解説してくださって
聞いているとほ〜!へ〜!なるほど〜!と納得していますが
こうしてまとめようとするといっぱい過ぎてとても無理。
その中でもインパクトのあった部分を

司馬遼太郎は明治維新を 1 国民国家を成立させた
                 2 日本の植民地化を防いだ
と位置づけていますが
民衆の運動がリーダーの層の薄さと連携のなさにより頓挫し
実際は下級武士達が絶対主義国家を作ったのでした。
(主権が天皇のみで国民には主権がない国家)
日本の外交政策の間違いの始まりは日清戦争の勝利から

日本はいち早くアジアで近代化したのですがいかんせん市場がなさ過ぎ。
1890年(明治23年)には日本で最初の恐慌が起こります。
繊維製品はだぶつき外に市場を求めます。
お隣の朝鮮はその頃清の支配下にありましたが
朝鮮で農民の東学党の乱が起こったのに乗じて日本は出兵し
独立を助けようとかなんとか言いながら(どこかで聞いたセリフ)
朝鮮を自分の都合のいいように日本の貨幣が使えて関税が0にしてしまいます。

山県有朋曰く
けだし国家独立自営の道は一に主権線を主御し二に利益線を防護するに在り。
何をか主権線というふ。国境是なり。何をか利益線といふ。
わが主権線の安全とかたくそうかんかんけいするのは区域是なり。
おおよそ国として主権線をまもらざるはなく、また等しく其利益線を保たざるはなし。

(まるでブッシュがイランについて言っているかのようです)
議会ではどんどん軍拡路線がしかれていました。

朝鮮半島を手にし外貨を集めて軍備を整えその勢いで1994年日清戦争で日本は勝ってしまいます。
その時の賠償金は軍事費の1.8倍でした!
それを元手にして日本は金本位制になり一等国の仲間入りを果たします。
その頃から庶民の間でも清をバカにするような風潮が見られるようになり
アジアに対する蔑視が始まります。

日清戦争100年ということでNHKが制作した番組の一部をビデオで見ました。
そこで東大の教授がまとめで述べている言葉が今の私たちにとって
考えの座標軸になるように思えました。

「戦争で解決してはいけない。戦争で潤うのは軍部と軍需産業だけである。」
「人命より国益を優先してはいけない。」
「自国民だけが良ければではいけない。」


政府がそんな滅茶苦茶するわけがない。と庶民は考えますが
今過去を学ぶと日本も立派に欧米の帝国支配の片棒を担いでいます。
過去に学ぶことはたくさんあります。
様々な資料を読み解いているうちにジグソーのピースがはまってゆくような
面白さにアッという間の2時間半でした。

その後時間のある方は残って近くで買ってきたお弁当など広げて
無料のコーヒーやお茶をいただきながらお喋りしていましたが
そのうち質疑応答の時間となって興味深いことをたくさん直接お聞き出来ました。
韓国や福祉などいろんなイベントのお知らせや情報交換などもしていました。


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